ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (62) バヤン抜てきにみる、クビライの人心掌握術

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「バヤン抜てきにみる、クビライの人心掌握術」








1276年、
南宋が完全にモンゴルに接収された時の司令官は、
バヤン(ダヤン)。










バヤン(1236年 - 1295年)は、
なかなか魅力的な人で、










もとは、
イランに建国されたイル・ハン国の大将、











1264年、
28歳の時、
外交使節として、
大都に送られ、











バヤンをひと目みたクビライが、











こいつはいける!











と一目惚れ。










そのまま、
自分の部下にしてしまった。









遠い国から出張してきた子会社の社員を、
スカウトしてしまったみたいな感じで、











バヤンの肖像ないかと思ってさがしたんだけど、
みつからなくて、










というのは、
クビライが惚れた理由というのが、








容貌がすばらしく、
みるからに賢そうだった。










う〜ん、
惜しい・・・









ぜひ、
どんなお姿なのか、
見てみたい・・・









・・・



クビライ直々にスカウトされたバヤンさま、
なみいるクビライの部下たちの中では、
新参者であるのに、










南宋作戦の全軍の総司令官にばってきされて、
前線に送られる。








この時、
バヤン弱冠36歳。











ここにも、
クビライの、
自由自在な人の使い方が見てとれるんだけど、











クビライ政権は、
権力中枢は経験豊富な老齢の者が多く、










クビライ自身、
老齢だったし、









実際の現場に立つものは、
バヤンのように、
若い者が多かった。










自身もすぐれた武将であったので、
体力勝負の実戦では、
若さを重視したのだろう、











ということで、
クビライの人心掌握術をまとめると、








権力中枢=老練の知恵 + 実戦の前線=青年の覇気 







・・・




襄樊包囲作戦でモンゴル軍に敗れた南宋側の大将、
呂文煥がモンゴルに寝返ったのが1272年→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (60) 呂文煥(りょぶんかん)の変心 - Victoriaの日記









以来、
呂文煥は、
モンゴル軍で、
めざましい活躍をみせ、








バヤンが、
20万の軍を率いて南宋に一斉攻勢をかけるにあたっては、
事前に民衆を説得して回る、
根回し役をしている。








モンゴルに抵抗してもムダだよ!
黙って投降すれば破壊も殺戮もされないよ!
モンゴルは悪いようにはしないから安心していいよ!
ボクも今、毎日すごく仕事が楽しくて、
だって、ホラ、クビライはホント、話のわかる上司だから、・・・








ということで、
南宋接収の最後の最後、
バヤンの軍は、
行く先々でその地の部隊を編入










日を追って数を増していく、
恐ろしい大軍が、
戦うわけではなく、
平和のうちに行進して、
江南の人々に迎え入れられ、










首都臨安は、
無血開城した。










長らく、
モンゴル帝国にとって、
南宋は難攻不落の地だったのだが、








最後は、
誰も死なず、
平和のうちに接収終了。









前線に赴くバヤンに対し、
クビライは、










・遠征軍の規律・統制ある行動
・投降者の歓迎・優遇











をよくよく言い聞かせていたのだが、
バヤンはその言いつけをよく守り、
ほとんど血は流れなかった。








・・・



クビライほど、
リーダーシップとは何かということを、
わかりやすく体現してくれている人間はいないんじゃないか、









それが、
クビライにひきつけられる理由だと思うんだけど、









長年、
みんなでがんばって南宋作戦に取り組んできて、










勝利が見えてきた最後の最後になって、











イランの山奥からやってきた若者を、
いきなり最高責任者にしてしまって、









論功行賞という意味でいえば、
最後に花を持たせてもいい人はいっぱいいただろうに、










ポッと出の若者の大抜擢があっても、
みんなちゃんとついて来るって、
ホント、
帝国のすみずみまで事業の目的と意味がしっかり共有されている証拠、









・・・ということで、本日の結論 :









リーダーは、
敵の大将に惚れられてナンボ・・・










Victoriaでした。


・・・


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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記




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