ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (85) アッコ(=アッコン)陥落と十字軍の終わり
こんにちは。Victoriaです。
2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
「ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「アッコ(=アッコン)陥落と十字軍の終わり」
1291年、
マムルーク朝がアッコ攻略、
1096年からえんえんと続いてきた十字軍は、
完全に終わった。
アッコって、どこ?
ここです。
山川出版社世界史総合図録p46より拝借。
- 作者: 成瀬治,佐藤次高,木村靖二,岸本美緒,桑島良平
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港町です。
1187年、
サラディン率いるイスラム勢力に、
イェルサレムを取られて以来→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (27) 第3回十字軍 - Victoriaの日記
イェルサレム王国の首都として、
港町なので補給が比較的しやすいという地理的条件を生かし、
十字軍の最後の砦としてのポジションを何とかキープしてきたのだが、
ついに力尽きた。
ルイ9世率いる第7回十字軍(1270年)の失敗で、
事実上、
十字軍は終了していたのだが、
アッコの陥落で、
何もかもすべて失い、
聖地イェルサレムをイスラムの支配から奪回するという目的は、
完全に失敗した。
ということで、
ヨーロッパ側にとってみれば、
骨折り損のくたびれもうけ的なオチがついてしまった十字軍だったが、
約200年にわたって、
人や物が大量に動いたわけだから、
いろいろと成果もあった。
<十字軍の成果>
1 すぐれた東方文化が西ヨーロッパにもたらされた。
東→西 であって、
西→東 ではないところがポイントで、
この時代、
西欧はいろんな面で、
ずいぶんと遅れていたのだけれど、
遠征から帰ってきた兵士が、
当時めずらしかったもの、
例えば、
シャーベットをシリアから持ち帰ったりして、
ずいぶんと、
西欧の文化レベルが上がった。
もちろん、
これが、
次の時代のルネサンスへとつながっていく。
2 ギリシア哲学がイスラム世界からヨーロッパへもたらされた。
えっ?
ヨーロッパからイスラム世界への間違いなんじゃないの?
と思うかもしれないけど、
キリスト教世界では、
ギリシア哲学が駆逐されてしまっていて、
それが、
期せずして、
十字軍のおかげで西欧世界に戻り、
トマス・アクィナスの「神学大全」がうまれるきっかけとなった→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (79) トマス・アクィナス「神学大全」 - Victoriaの日記
大事な経典類が、
本家本元で焼かれちゃって、
遠く離れた土地で生きながらえるっていうのは、
歴史上、
よくあることだけど、
ギリシア哲学も、
そういう運命をたどったっていうのは、
驚きだ・・・
3 ヨーロッパの城作りの技術が目に見えて向上した。
東方では、
峻険なところに城を作る技術が発達していたので、
それを取り入れたヨーロッパでは、
十字軍前と十字軍後とでは、
城作りのコンセプトが全く違っているというくらい、
めざましい発達を遂げた。
・・・ということで、本日の結論 :
戦争の技術は戦争しないと上達しない。
4 兵隊の輸送を通じて、海運力が進化した。
軍隊が動けば、
食糧も動く、
戦争とは、
結局、
ロジスティクスの戦いだから、
おかげで、
軍隊に食糧を運ぶ拠点となった、
ベネチアやジェノアが、
大きく発展していった。
・・・
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5に参加なさった皆様へ朗報です。
出口社長のレジュメ、
残りあと2枚となりました〜♪
みなさん、
信じられないかもしれませんが、
出口社長の講義が、
85回あったわけではないです。
実際は、
たった4時間の講義を、
ここまで伸ばしておりまして、
ホント、
申し訳ありません。
ゴールは間近ですので、
あともう少し、
おつきあい下さい。
Victoriaでした。
・・・
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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記