公職選挙法第197条の2 報酬の支給

こんにちは。Victoriaです。

4月の統一地方選で当選したばかりの大府市議が、公選法違反(日当買収)の疑いで逮捕されました。

2011/05/13付中日新聞によると、

>>4月に実施された愛知県大府市議選をめぐり、県警捜査2課と東海署は12日、公選法違反(日当買収)の疑いで、初当選した榊原肇容疑者(54)=大府市若草町=を逮捕した。

 逮捕容疑では、榊原容疑者は、街頭での選挙運動を手伝った県内の女子大学生4人に、4月24日の投開票後、同市横根町内で、知人男性らを通じて約8万円の報酬を支払ったとされる。「間違いない」と認めているという。<<

本人も買収を認め、同日、辞職願を提出したとのこと。

定数21人を22人で争った選挙だったので、落選者は一人。

公職選挙法第97条により、投票日から3ヶ月以内に欠員が出た場合は次点の候補が繰り上げ当選となるので、たった一人の落選者だった候補者が当選確実になった模様。

実は、大府市ではもう一人選挙違反が出ています。

2011/04/28付朝日新聞によると、

>>24日投開票の愛知県大府市議選で運動員に飲食の接待をしたとして、県警捜査2課などは27日、公選法違反(買収、事前運動)の疑いで同市議会議長久野喜孝容疑者(69)=同市中央町=を逮捕した。同課によると、「これからも支援してもらいたいとの思いで食事をごちそうした」と容疑を認めているという。 <<

こちらは、まだ辞職していません。

食事をごちそうしたほうは、公職選挙法第221条(買収及び利益誘導罪)違反です。

当選させる目的で、選挙人または選挙運動者に対して、金銭、物品を供与したり、供応接待してはならないということで、借金の免除とか、保証人になってやるなど、相手方に財産的価値のあるいっさいの行為が禁じられています。

一方の、日当買収のほうは、公職選挙法第197条(報酬の支給)違反。
選挙運動に従事する運動員に支給できる報酬については、非常に細かい規定がされています。

報酬を支給することができるのは、
・選挙運動に関する事務に従事するために雇い入れられた事務員
・車上運動員(いわゆるウグイス嬢)
に限られ、責任者や親族関係者は含まれません。

市議選であれば、報酬を支給できる者の数は一日につき、9人までと定められています。

これら、報酬を支給する対象となる者については、事前に選挙管理委員会に届け出ていなければなりません。

日当についても、事務員は1万円以内、車上運動員は1万5千円以内と定められています。

今回の逮捕容疑は、街頭での選挙運動を手伝う見返りに、時給1千円を払ったと言うこと。
これらの女子大生は、事務員ではないし、ウグイス嬢でもないので、単なる選挙運動員だとみなされます。

運動員に報酬を支払うことは禁止されているので、違反になります。

報酬をもらった女子大生にしてみれば、アルバイトのつもりだっただろうから、法律違反の意識はなく、
「お金をもらったか?」
と聞かれれば、ためらうことなく
「もらった」
と答えたと思われますので、警察の仕事もさぞかし簡単だっただろうと想像されます。

それにしても、定数22人に対して21人が立候補してたわけだから、落選するのはたったの一人。

それなのに、二人も選挙違反者を出すなんて、そんな少数激戦だったのでしょうか・・・?

Victoriaでした。