ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ (9)気候変動で歴史は動く

こんにちは。Victoriaです。

さて、ライフネット生命保険の出口社長の講演会は、
世界のあちこちで戦争が勃発する時代にはいり、
がぜんおもしろくなってきております。


しかし、これだけ太古の昔から、
殺し合いばっかしてたっていう話を聞いていると、
動物界を見渡して、
同類で共食いする種のほうが圧倒的少数なわけだから、


やっぱ、人間って、進化の過程のどっかでこわれたんじゃねーか?


人が人を殺すっていうのは、
すごいエネルギーがいるし、
自分がやられちゃうかもしれないんだからリスキーなわけで、


だから、マッチョの中のマッチョでないと、
なかなか戦争に勝つっていうのは難しかったと思うんだけど、
幸か不幸か、人間は殺人にうってつけのいいものを発見してしまう。


鉄。


やわらかい体の人間を、
効率よく殺すために、
硬い鉄が威力を発揮。


最初に鉄器生産技術を発見したのはヒッタイト
鉄の有用性をよく理解していたヒッタイトは、
長い間、鉄職人を囲い込み、
鉄器生産技術を漏洩しないよう細心の注意をはらっていた。


戦争=情報戦


っていうのは、太古の昔から常識だったわけだ。


しかし、覇権というのは長くは続かないのが世の常で、
紀元前12世紀初め、ヒッタイトは滅んでしまう。

ヒッタイトに勝ったのは、


「海の民」。


なんと、海の民は、
紀元前1200年の前後5年間に、
ヒッタイトだけでなく、
ミケーネ文明(ギリシア人)、
ガリト(フェニキア人)を滅ぼし、
エジプトを弱体化させたと言われている。


いくら海の民が強いって言っても、
5年やそこらでこんだけ広い範囲にわたって荒らし回るって、
どんだけ・・・



出口社長によれば、
紀元前1159年にヘクラ火山の大爆発があり、
それに伴う気候変動が原因で、
ほとんどの文明が滅んだとのこと。


中近東のほとんどの文明が滅んでしまい、
強い国がなくなると同時に、
ヒッタイトが隠していた鉄職人が各地に拡散し、
鉄器時代の幕開けとなった紀元前1200年は、


紀元前1200年のカタルシス


と呼ばれている。



多くの文明を滅ぼす引き金となった気候変動だが、
出口社長は、文明滅亡の原因としての気候変動の影響というのを
大変重視なさっていて、


気候変動で歴史は変わる


と断言。


特に、産業革命以前、世界の主要産業は農業だったので、
気候変動でユーラシアの北の方の住民が食糧危機におちいると、
南へと民族大移動が起こり、
大量の移民が入ってきた南の方の国では、
当然ながら政情不安になるわけだから、
結局、お天道さまのゴキゲンで人の運命は左右されているという・・・


アメリカが建国されたのも、
イギリスから移民が渡ったからだけれども、
あれも、寒波に見舞われて食糧危機におちいったスコットランド地方の農民たちが、
農耕のできる土地を求めて南へ向かったからだし、


人間、食い物のためなら、
三千里の旅だってなんのその!



・・・ということで、本日の結論 :


世界史は、食い物をめぐる仁義なき戦いで満ちあふれている。



Victoriaでした。

・・・
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