ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ (13) AD元年のGDP世界ランキング一位はインド
こんにちは。Victoriaです。
さて、ライフネット生命保険の出口社長の講演会では、
出口社長オリジナルの図表がいくつか示され、どれも大変興味深いものだったのだが、
中でも一番印象的だったのが、これ。
<AD元年のGDP>
漢帝国 26.2%
インド 32.9%
パルティア帝国 9.7%
ローマ帝国 17.2%
倭(日本) 1.2%
この数字は、GDPの世界シェアを表している。
これは出口社長がお作りになった表で、もととなっている資料は、おそらくこれ。
- 作者: アンガス・マディソン,金森久雄,政治経済研究所
- 出版社/メーカー: 柏書房
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アンガス・マディソン著「経済統計で見る世界経済2000年史」。
マディソン教授は、過去2000年間の世界各国の経済の動きを、
人口やGDPの推計をもとに分析した経済学者。
ある時代のある地域の経済がどれくらい強かったのかを知るためには、
GDPの世界シェアを計算してみるとよくわかるわけだけど、
経済の方面にはものすごく弱い私に、
そういう発想は今までなかったので、
出口社長にこの数字を見せていただいたときには、
本当に目からウロコで感動した。
ところがこの本は、どうやら今、手にはいらないらしい。
なので、ちょっとググってみたところ、
マディソン教授の研究結果がウェブで公表されていた。
膨大な資料の中から、「The World Economy, 1–2001 AD」をようやく探し当て、
おそらく出口社長が参照なさったのではないかと思われる表を発見。
画面をスクロールして、ざざっと眺めたところ、
GDPのシェアの表の直前に、
人口の表がついていたので、それと比較してみた。
結果はこちら。
<AD元年の人口>
漢帝国 25.8% (26.2%)
インド 32.5% (32.9%)
パルティア帝国 ?
ローマ帝国 ?
倭(日本) 1.3% (1.3%)
( )内はGDPの世界シェア。
パルティア帝国とローマ帝国のところが?になっているのは、
マディソン教授の表は、現代の国別に数字が出ているので、
AD元年の国境がどうなっているのがいまいちよくわからず、
計算できませんでした。
出口社長、申し訳ございません。
ただ、わからない2つはこの際無視すると、
漢、インド、倭に関しては、ほぼ、
GDP世界シェア=人口シェア
になっていることがわかって、ちょっと感動。
マディソン教授の表は、最新の数値が2001年のものまで出ていたので、
ためしに2001年の数字をピックアップしてみると、
<2001年の人口シェア+(GDPシェア)>
中国 20.7% (12.3%)
インド 16.6% (5.4%)
西ヨーロッパ 6.4% (20.3%)
アメリカ 4.6% (21.4%)
日本 2.1% (7.1%)
( )内はGDPシェア。
AD元年のGDPと比較してみると、
GDPシェア=人口シェア
という構図が崩れ、
中国・インドが人口に対してGDPが低く、
西ヨーロッパ・アメリカが逆に高くなっている。
おおっ、数字って、説得力があるものなのね・・・
マディソン教授の研究は膨大で、
きっと貴重な資料の宝庫なんだろうなと思いつつ、
ここまでやっただけで頭が痛くなってきたので、本日の勉強終了。
高校の時に、数学も世界史もロクに勉強しなかったからね・・・
基礎学力のなさがこういうところで露呈。
・・・ということで、本日の教訓 :
高校の授業はさぼらず受けよう。
・・・
さて、ここで出口社長の講義に戻って、
AD元年のGDPをもう一度じっくりご覧いただくと、
インドがダントツ1位になってるのがおわかりいただけるはず。
ローマ帝国が意外に少ない。
AD元年のローマ帝国といえば、
アウグストゥス帝の活躍した時期で、
領土の拡大期でもあったわけだから、
経済も相当繁栄していたはずなのに、
メソポタミアのパルティア帝国のシェアと足してようやく中国と肩を並べることができるレベルだった。
つまり、この時代のGDPは、人口の規模に比例していたって結論でいいんでしょうか?
それで、インドがどうしてこんなに栄えていたかということなんだけど、
メソポタミア文明がインダス川流域に達するまでに500年ほどかかっているため、
インダス文明の夜明けは紀元前2600年頃、
エジプト古王国の時期に重なっている。
インダス文明の特徴は広域性。
インダス川を船で行き来しながら、
文明が広がっていった。
紀元前1500年頃、パンジャプにアーリア人が侵入。
その300年後の紀元前1200年頃、リグ・ヴェーダ成立。
リグ・ヴェーダは、インド最古の聖典で、
時間を直線的なものととらえるヨーロッパに対し、
「万物は輪廻する」というインド独特の時間概念に支えられた思想が読み取れる。
インドは山あり谷ありの地形のため、
統一国家を作りにくく、
・インダス川流域
・ガンジス川流域
・南インド
の大きく三つの地域に分かれていたが、
紀元前317年、チャンドラグプタがマウリヤ朝を建て、ついに統一に成功。
これは、アレクサンドロスによる侵入が契機になっており、
あまりにもアレクサンドロスのインパクトが大きくて、分裂している場合ではないと目覚めたためだという。
ここで本日の出口社長の一言 :
超ド級の刺激を受けると、人は改革に乗り出す。
ただ、アレクサンドロス以後、用心していたわりには、誰も攻めて来ないので、
な〜んだ、統一国家である必要なんかないじゃないか・・・という話になったらしいんだけど・・・
ここで、世界地図を眺めてみると、
メソポタミアからインドへは、
陸沿いに船で移動すれば簡単に行くことができる。
それは、ローマ帝国からも同じことで、
つまり、インドは海運の中継地であったので、
交易の中間地点のメリットをいかし、
あっちこっちからピンハネしていたので豊かだったというのが出口社長の結論。
・・・ということで、本日の結論 :
商売繁盛の秘訣は、立地がすべてだ。
ゼロの概念を確立したのはインドで、
今まではそこに、何か哲学的なものを感じていたんだけど、
もっと、実用的な必要性にかられたからなんじゃないかって気が・・・
商品が売り切れて棚が空っぽになった状態を表すために、
ゼロって数字は必要だよなあ・・・
<出口社長へ>
今回のところは、まとめに今までで一番苦労いたしました。
GDPのところの数字の処理に手間取ったためです。
しかも、内容にもいまいち自信がありません。
もしも間違いがありましたら、どうぞ、ご指摘下さいますよう、お願い申し上げます。
結局、まとめに二日かかり、昨日は記事アップできず。
Victoria、経済の話は苦手なの・・・
Victoriaでした。
<あとがき>
出口社長から「ブログの内容は正確です」とのお墨付きをいただきました。
ありがとうございました。
・・・
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