砂の器

こんにちは。Victoriaです。

先日、テレビで「砂の器」をやっていて、
中途半端に見てしまったVictoria・・・


http://www.tv-asahi.co.jp/suna/index.html


ちゃんと見ようと思って、DVDを探してみたところ、
まだ発売されていない。




しかし、この松本清張先生の名作は、
何度も映画化やドラマ化されているので、
中でも名作と言われる野村芳太郎監督作品を見てみました。


砂の器 [DVD]

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感想 : 昭和の時代の日本て、暑かったのね・・・



二人の刑事(丹波哲郎森田健作)が捜査で国鉄に乗ってあちこち飛び回るんだけど、
列車の中を始め、
街でも、
捜査本部でも、
とにかく暑いらしく、
みんな扇子をあおぎながら、白いハンカチで汗をぬぐっているシーンばかりで、


そういえば、昔は夏の列車って、窓全開で走ってたよね・・・


いつから、列車に冷房が完備されるようになったんだっけ???



あと、印象的だったのは、
登場する男という男が、みんな、


タバコをスパスパ吸う


っていうことで、
分煙なんて考え方が登場するのはずっと後のことだから、
(映画では、事件は昭和40年代に起きたことになっている)
食事中も、
列車の中も、
捜査会議中も、
とにかくみんなヒマがあればタバコすってるのね。



そういえば、


Victoriaの最初の男の人の臭いの記憶というのは、
タバコのにおいだったなあ・・・



玉木宏主演の最新のドラマと野村芳太郎監督の映画は、
登場人物やストーリーがかなり違っていて、
好みのわかれるところだと思うんだけど、
野村芳太郎監督の映画版ですごいところはなんといっても、


音楽。


後半は加藤剛演じる和賀英良の作曲による名曲「宿命」にのせて、
昔の回想シーンが展開するため、
ほとんどせりふというものがない。


松本清張先生原作の「砂の器」は、
もちろん推理小説なんだけど、
この映画では、途中から推理は二の次になっていて、
和賀英良の心象風景を追っているうちに、
観客は、いつのまにか人の宿命や業というものに涙する・・・
という作りになっている。


人は誰でも宿命を背負って生まれて来て、
親子の因縁とか業っていうもののせいで、
人生思うようなスタートが切れないことも多いけれど、
その宿命をひとつひとつ背中から下ろしていく過程が人生なんじゃないかと思っていて、
和賀英良も大作曲家になったのだから、
かなりの部分、自分の宿命に対して落とし前をつけたはずで、
それでも現在の自分と過去の自分をつなげてしまう細い糸が現れると、
突発的に消してしまいたくなって、
殺人を犯してしまったということは、
まだ全然終わってなかったってことなんだと思うけど、
Victoriaとしては、そこにちょっと不満が残った。



30歳すぎたら、
親子の宿命なんてなかったことにして、
あっけらかんとした人生送らないと、
いつまでも心の傷をかかえたまま一生が終わってしまうよ・・・




玉木宏主演のテレビ版を見てる時にはわからなかったけど、
野村芳太郎監督の映画を見たら、なぜ、



砂の器



というタイトルなのかがやっとわかった。





・・・ということで、本日の結論 :


愛のない人生は、
砂の器のようなものである。



Victoriaでした。