大村大次郎 「決算書の9割は嘘である」 (3)最強の税務プロ集団 トヨタの決算書の秘密

こんにちは。Victoriaです。

決算書の9割は嘘である (幻冬舎新書)

決算書の9割は嘘である (幻冬舎新書)

さて、「決算書の9割は嘘である」の著書、大村大次郎氏によると、
粉飾決算は実に簡単にできるらしい。



粉飾決算は、
利益を多く見せかけることで、
脱税とは動機が真逆。



しかも、
追徴税を取るために税務調査に励む税務署のお呼びではないこともあって、
なかなかバレないらしい。




粉飾決算をするような企業はすぐに破綻する」




なんてものの本には書いてあるけど、
あれは真っ赤なウソってこと。




大村大次郎氏も、
「その場しのぎのウソをつけば、人生が行き詰まるというものでもない」
ってお書きになってるんだけど、
見逃したほうがお互いの身のためだっていうウソは、
まかり通るってことね・・・






話飛ぶんだけど、





粉飾決算っていう文字を見るたびに、
アンチエイジングを思い出してしまうのは、
私だけ・・・???





「粉飾」の「粉」がおしろいを、
「飾」が「着飾る」をイメージさせるからだと思うんだけど、





アンチエイジングもうまくやれば、
結構だませるしね・・・





ちなみに、
粉飾決算で破綻した企業にカネボウがあるけど、
カネボウは20年以上粉飾決算をやり続け、
周囲をだまし続けていたらしい。






さすが、
女性の服飾や化粧品を扱ってる会社はやることが違うわね・・・






・・・


さて、
本書では、
決算書を5つのタイプに分けていて、


  1. 野心型決算書
  2. 税金ケチり型決算書
  3. 保守的決算書
  4. 老獪型決算書
  5. ごまかし型決算書


1 野心型決算書は、少しでも利益を大きく見せたいという企業が作るもので、
一歩間違えば粉飾につながるヤツ。


2 税金ケチり型決算書は、万年赤字の企業が作ってるヤツ。

3 保守型決算書は前回ご紹介した楽天みたいに、
悪い材料は早めに出そうって言うタイプ。→大村大次郎 「決算書の9割は嘘である」 (2)朝日新聞が申告漏れ常連の理由 - Victoriaの日記


4 老獪型決算書は、「税金ケチり型決算書」と「野心型決算書」を状況に応じて使い分けるタイプで、
ふだんは利益を抑え気味にして税金を減らし、
減税措置がとられたときに一気に利益を計上するもので、
本来ならすべての企業が目指すべきものだけど、
現実はなかなか・・・。
旧財閥系の超巨大企業の決算書はこのタイプらしい。


5 ごまかし型決算書は、
とにかく企業を存続させるために必死にもがいてる企業が作るもので、
例えば、オリンパスとか。





以上5つのタイプの中で、
4 老獪型にあたる企業の例としてトヨタがあげられていて、
大変興味深いので、ここでちょっとご紹介。






トヨタの決算書の秘密>



2004年度、トヨタは最高収益を記録し、史上初めて1兆円を突破。




実はこれには背景があり、




2003年から大企業に対して法人税の大幅な減税が実施され、
トヨタが最高収益を出した2004年度というのは、
大幅減税が開始されて1期目にあたる。




2003年は、株主の配当金への税金もまた大幅に減税された年であり、
トヨタは、まるでそれを見計らったかのように、
史上最高収益を出した、






てゆーか、
そもそも減税を勝ち取ったのは、
トヨタ様の働きのおかげだったんだし・・・






トヨタ様のおかげで、
日本がどれほど潤ってきたかを考えれば、
今になってちょっと税金が下がったくらいで、
文句は言えない・・・






・・・ということで、最強の税務のプロであるトヨタ様から学ぶべき教訓は、






企業・個人を問わず、
それなりの利益が出ているのであれば、
税務部門は最強の布陣でのぞむべきである。







まあ、適当でいいだろ、

何とかなるだろ、

だって、去年もこの申告書で通ったんだし・・・


そういうなあなあの精神が悲劇を生む・・・







Victoriaでした。


・・・


「決算書の9割は嘘である」バックナンバーはこちら。
大村大次郎 「決算書の9割は嘘である」 (1)国税調査官の使命 - Victoriaの日記
大村大次郎 「決算書の9割は嘘である」 (2)朝日新聞が申告漏れ常連の理由 - Victoriaの日記