大谷昭宏「冤罪の恐怖」
こんにちは。Victoriaです。
さて、
江川紹子著「名張ブドウ酒事件」を読んで、
冤罪のこわさを目の当たりにし、
これも読んでみた。
- 作者: 大谷昭宏
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: 単行本
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感想 : なぜ、こんなひどい状態がまかり通るのか、
今すぐ、日本人をやめたいくらいだ・・・
日本以外の国も、
似たり寄ったりだと思うから、
気を取り直して、
どうすればよいか考えてみると・・・
・・・
本書には5つの冤罪事件が取り上げられている。
どれも、
今となっては、
誰の目にも明らかな冤罪なんだけど、
菅家さんは17年半、
桜井さん、杉山さんに至っては、29年間の獄中生活を送っている。
一度、有罪となったものをひっくり返すなんて、
今の制度ではほとんど奇跡に等しいわけなんだけど、
こうやって、
晴れて無罪が証明された方たちに共通しているのは、
- 徹底して否認を貫く、本人の強い意志
- 献身的、時には、本人に断られてもなお食らいつくくらいの、狂信的ともいえる支援者の存在
で、
そのどちらが欠けても、
途中で心が折れてしまい、
獄中で、
あるいは死刑台で死ぬことになってしまったにちがいない。
冤罪が起こらないようにするために、
- 取り調べの全面可視化
が必要なことは言うまでもないんだけど、
桜井さんが、
- 全面証拠開示
が必要だと訴えていて、
国民の税金を使って集めた証拠が、
なぜ検察官に独占されなければならないのか、
税金で集めた証拠は、
弁護士にすべて見せるのは当たり前じゃないか、ということなんだけど、
ホント、
そう思う。
てゆーか、
そういう仕組みになってるなんて、
全然知らなかった。
今のように、
検察が集めた証拠をすべて見せる必要がない状態では、
どういう証拠を検察が持っているのか弁護側は知ることはできないわけだから、
圧倒的に不利なわけで、
この点はすぐにでも改善してほしい(って、誰に向かって言えばいいのか・・・???)
また、
これも同じく桜井さんが言ってることなんだけど、
- 捜査過失罪
を作ろうぜってことで、
例えば、
弁護士が弁護を間違えば、
弁護過誤で訴えられるのに、
警察官、検察官、裁判官は、
たとえ間違った裁判で人の人生壊しても、
何の責任も問われないのはおかしいのではないか、
冤罪で人を29年間刑務所へ入れたヤツは、
同じく29年間刑務所へ入れるべきだって言っていて、
うん、
それくらい厳しいペナルティーがないと、
軽い気持ち(例えば自分の出世にひびくから無罪判決は出せないとか)で、
冤罪作る人は減らないのかも。
・・・
それにしても、
29年間もやってない罪で刑務所に入れられ、
無事、出てこられるなんて、
どれほどの精神力の持ち主なんだろうか・・・
そうでないと、
心が折れてしまって、
死刑にならなくても、
病気で死んでしまうと思う。
日本では今も冤罪は現在進行形で作られている。
Victoriaでした。