ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (21) ヴォルムス協約
こんにちは。Victoriaです。
2012年7月14日、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長による「5000年史 Part4 11、12世紀の世界」の講義録、
今回は、「ヴォルムス協約」。
今回から、第1回十字軍(1096〜99)以後の世界を見ていきます。
題して、「中世の春」。
1110年頃、
ボゴミル派の迫害という事件が起こる。
ボゴミル派というのは、
バルカン半島の奥の方で、
10世紀中頃、
ボゴミルという名のブルガリア司祭が始めたキリスト教の一派で、
東ローマ帝国への抵抗運動とも結びつき、
という二元論にもとづき、
教会も政府もともに悪魔に由来するものとして否定、
結果、
迫害を受け、
西へ西へと逃げ延びていく。
南フランスのカタリ派に影響を与えたともいわれる。
・・・
1115年頃、
フィレンツェにコムーネ成立、
自治都市となる。
この頃までに、
イタリアのアマルフィやピサなど海の共和国は、
貿易でお金持ちになり、
貴族や大商人主導で領主から自治権獲得、
コムーネ(自治都市)が成立した。
市民自身で市政が運営され、
周辺の農村地域も領域に加えて、
都市共和国を形成、
領主などからの介入をさけるため、
周囲に城壁が築かれることも多かった。
・・・
「ギベリン VS ゲルフ」争いが起こったのもこの頃。
11世紀の叙任権闘争で、
教皇と皇帝の熾烈な争いが始まったことはすでにみた通り→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (17) カノッサの屈辱 - Victoriaの日記
それがこじれて、
教皇派(ヴェルフ家がなまってゲルフに)、
皇帝派(ホーエンシュタウフェン朝の城塞名がギベリンだった)の争いに発展、
都市や貴族達がどちらかの陣営につき、
だんだんと、「皇帝 VS 教皇」の争いというよりは、
単なる派閥闘争、つまり政争の様相を呈していく。
対抗勢力が皇帝派についたから、
オレらは教皇派につこうぜ、とか、
だいたいそういう感じで、
政策は二の次、
どのボスの下についたら有利かというだけで政党を選ぶというのは、
古今東西いずこも同じ。
ちなみに、
シェークスピアの有名な悲恋物語、ロミオとジュリエットは、
教皇派 VS 皇帝派 の争いに巻き込まれたかわいそうな二人のお話である。
そう考えてみると、
死ぬほどの事情ではなかったはずで、
やっぱり、
若いっていうのは、
結論を急いじゃうのよね・・・
・・・ということで、本日の結論 :
恋愛を成就させるために、
政治のお勉強は必須ね・・・
・・・
1122年、
ヴォルムス協約が結ばれる。
山川出版社の世界史用語集によると、
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結局、どっちが勝ったの?って話だけど、
教皇が勝ったとみていいんじゃないでしょうか?(ですよね?出口先生)
叙任権闘争について、
ここでもう一度おさらいしておくと、
私領に教会や修道院が建てられると、
聖職者を選ぶ権利は土地の領主が持っていたんだけど(つまり司教のボスが地主っていう構図)、
これは単に誰を教会のトップにするかっていう問題を越えて、
利権にからむ問題でもあった。
教会というのはいろいろな資産を持っていたので、
誰がそれを管理するか、
金庫の鍵を預かるのは誰か、
という話と直結したからである。
それで、
叙任権を手にいれたい教皇と、
手放したくない皇帝の争いになり、
ついにハインリヒ4世とグレゴリウス7世の二人の間で頂点に達し、
カノッサの屈辱でいったんはグレゴリウス7世が勝ったことになったけれども、
ハインリヒ4世が反撃に出て、
グレゴリウス7世は逃亡先で客死、
きっちり借りを返した形になった。
以来、
両者の間で話し合いが重ねられ、
その結果が、
ヴォルムス協約という形で実を結んだわけである。
この後、
教皇はどんどん成り上がっていって、
ついに、
1198年、
インノケンティウス3世が登場することとなる。
インノケンティウス3世は、
「教皇権は太陽であり、皇帝権は月である」
という言葉を残した人物。
Victoriaでした。
・・・
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