ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (19) スペインに花開いたイスラム文化 アルハンブラ宮殿

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「スペインに花開いたイスラム文化 アルハンブラ宮殿」。







1238年、
ナスル朝ムハンマドアルハンブラ宮殿を建設、
スペインに、イスラム文化が結集した世界遺産が誕生したことはすでに見たとおり→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (17) コンクラーベ(教皇選挙) - Victoriaの日記










ナスル朝は、
1232〜1492年に成立した、
イベリア半島最後のイスラム王朝









ナスル朝成立と同じ時期、
1269年に、
イベリア半島から北アフリカまでを支配していたイスラム王朝
ムワッヒド朝が滅亡しており、
700年代から続いたスペインにおけるイスラム支配は、
終わりをつげ、
グラナダの狭い地域を支配するナスル朝が、
イスラム最後の牙城となる。










ムワッヒド朝がとどめをさされたラス・ナーバス・デ・トローサの戦いについてはこちら→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (8) ラス・ナーバス・デ・トローサの戦い - Victoriaの日記










ナスル朝は、
1492年にグラナダが陥落するまで、
200年近く続いていて、








キリスト教勢力による、
イスラム勢力駆逐運動(=レコンキスタ)にも屈することなく、
生きながらえることができた理由は、








領土は小さいながら、
グラナダは山岳地帯にあり、
守るには有利な地形であったこと、










また、
ムワッヒド朝が滅亡した後、
イベリア半島に存在したイスラム小王国が次々とカスティーリャ王国(=キリスト教国)に征服されていく中、
ナスル朝ムハンマド1世は、
ムダに抵抗せず、
領土をカスティーリャ王に割譲した上、
貢納金を支払い、
イスラム君主でありながら、
カスティーリャ王の家臣となるなど、
巧みな外交力を発揮したためである。











これは、
言ってみれば、
会社存続のためには、
名前にこだわらず、
ライバル会社の傘下にはいり、
しぶとく生き残りを図るようなもの・・・???











いずれにしても、
ナスル朝成立時点で、
イベリア半島におけるイスラム勢力は後退を始めていたわけだけど、










政治権力としてのイスラム勢力が事実上終わりを告げてから、
花開いた文化の結晶がアルハンブラ宮殿












政治的、経済的な面での繁栄が終わってから、
文化的繁栄が遅れてやってくる例は、
歴史上、多くみられるけれど、
たぶん、これは普遍的な法則で、










文化というのは、
人の美意識や情緒、知的レベルの成熟がなければ発達しないから、
タイムラグがあって当然、










一代目は脇目もふらず食べるために必死に働き、
二代目が親父の事業を拡大、
そのころには経済的ゆとりも出てくるので、
息子に学問をつけることができ、
三代目は多趣味で教養高き文化人になる・・・と考えると、
ここまで、おじいさん−おやじ−息子の三代かかってるから、
60年くらい必要かな?










アルハンブラ宮殿は、
城塞の役目も果たしていたわけだけど、
ただの軍事施設なら、
何もここまで精巧な装飾をほどこす必要はない、










一体、
なぜ、こんなに手をかけたんだろう???










イベリア半島からイスラム王朝がどんどんなくなっていき、
行き場を失ったイスラム教徒たちはみなナスル朝を頼ってグラナダに流れてきたので、
人材が豊富だったというのもあるだろうし、










ナスル朝は、
カスティーリャ王国と争うことは早々とやめて、
残された領土を守ることに専念していたから、
外に出て行くエネルギーが全部内側に向き、
文化の発展に寄与したというのもあるかもしれない。









本家本元から離れたところに飛ぶと、
かえって凝縮された形で文化が温存され生き残るということはよくあるけれど、
キリスト教文化の中の飛び地みたいなポジションだったグラダナも、
イスラム文化の本流から離れていたからこそ、
アルハンブラ宮殿を装飾することによって、
自分たちのアイデンティティーを守ろうとしたのかも?











アルハンブラ宮殿は、
いつか必ず訪れてみたい場所、
次の旅行はここにしようかな・・・











Victoriaでした。


・・・


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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記









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