ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (46) カイドゥの乱

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「カイドゥの乱」








1266年、
クビライが招集したクリルタイがお流れになってしまって、
中央アジアの情勢が不安定になったところまで前回見たんだけれども→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (45) 1266年 幻のクリルタイ - Victoriaの日記









クビライに公然と反旗を翻したのは、
カイドゥ(?〜1301年没)。









チンギス・カンの三男ウゲデイの五男の息子です。
この一族はやたら子どもが多いので、
人間関係がよくわかりません、








なので、
家系図さがしてきました。
これです。

杉山正明「クビライの挑戦」p79から拝借しております。

こうやって見ると、
甥(カイドゥ)がおじさん(クビライ)に対して反抗したということらしいです。









ウゲデイ家というのは、
第3代皇帝グユクが死んで(バトゥによる暗殺?)、
本家のトゥルイ家に政権が戻ってから、
冷遇されていて→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (34) 第4代皇帝モンケの即位と反対派粛清 - Victoriaの日記
不満を持っていたわけだけど、









第4代皇帝モンケが死んで、
クビライ VS アリク・ブケの「モンゴル帝国帝位継承戦争」が始まると、
アリク・ブケをバックアップ、
残念ながらアリク・ブケが敗れ、
クビライに「オレの言うことを聞け!」と言われると、
そうはさせるかとクビライ軍を攻撃し、










30年にわたる長い長〜いカイドゥの乱が始まった。









南宋も接収しなければならないし、
中央アジアでは身内が反乱起こすしで、
一体、どうやって帝国の全体像を把握していたのか、
クビライ政権の底力には驚嘆するばかりなんだけど、









途中経過は省略すると(調べたけどあまりにも関係者が多すぎてよくわからなかった)
最後は、
クビライ側の勝利に終わった。








カイドゥが支配していた領域を、
「カイドゥ・ウルス」と呼ぶが、








1294年にクビライが死んで、
テムルが皇帝に即位するのを見ると、
元の政権安定を確信して、
クビライ側=テムル側へと寝返る者が続出、
あせったカイドゥは大攻勢をかけるが、









結局、
この時のケガがもとで亡くなった(1301)。








カイドゥ亡き後のカイドゥ・ウルスは、
1306年、
チャガタイ家に併合され、
消滅する。








クビライの治世ではカイドゥが勢力を保ち、
おそるべきクビライが死んで、
クビライとは比べようがないほどひ弱なテムルが皇帝になってから、
あっという間にカイドゥが力を失うというのは、
矛盾するようだが、









カイドゥが、
そこそこの軍勢を集めることができたのは、
「アンチ・クビライ」の人間が実はたくさんいたからで、








カイドゥを積極的に推すというよりは、
クビライについていけない者たちの、
避難場所のような役割を担っていたからである。









ここらへんの事情は、
杉山正明モンゴル帝国の興亡 下」に詳しい。

モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)

モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)









本書によると、
クビライは「賢明なるカアン」と呼ばれ、
恐れられていたが、










部下の職務怠慢に対しては大変厳しく、










また、
クビライの推し進める「グローバリゼーション」の速度があまりに速く、
ついていけない者が続出、
よって「クビライ体制へのアンチテーゼ」としてのカイドゥの存在感が、
逆に高まるという現象が起きていた。









しかし、
クビライが死んでしまうと、
帝国全体にほっとした空気がうまれ、
後をついだテムルは祖父クビライとは比べものにならないほど小粒の人間で、
逆についていきやすかったのかもしれない。












クビライが敢行したグローバリゼーションのおかげで、
モンゴル帝国の経済成長はめざましく、
昔ながらの牧歌的な遊牧生活をよしとするカイドゥに政権をまかせても、
ぜいたくな生活は望めないことは明らかで、










モンゴルも創業以来90年たって、
都市化が進み、
王族らはすっかりぜいたくな生活に慣れきっていて、
もはや昔には戻れなかった。








90年っていえば、
1世代30年とすると3世代だから、
おじいさんの代の生活に戻れといわれてもね・・・













カリスマ・クビライ死して、
鉄壁の政権基盤を残す。







Victoriaでした。






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「クビライによるグローバリゼーション その1」が今回で終了しました♪

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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記
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