ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (90) 教皇ボニファティウス8世 VS フランス王フィリップ4世

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「教皇ボニファティウス8世 VS フランス王フィリップ4世」







1300年、
教皇ボニファティウス8世が聖年開始。








聖年というのは、
西暦1300年を祝って行われた盛大な祭典のことで、










2000年には、
大聖年が開催されている。










実は、
ボニファティウス8世が聖年を始めるにあたっては、












教皇ボニファティウス8世 VS フランス王フィリップ4世












仁義なき戦いがあって、










二人が争ったのは、












ゼニ。













フランスは、
敬虔なキリスト教徒の国だったので、
教皇にとっては、
大事な収入源、









いわば、










ローマの台所はフランスが支えていた










と言ってよく、
教皇庁にとって、
絶対に手放したくない金庫だったわけだが、











ゼニが欲しいのはいずこも同じ、











ヨーロッパ中の、
ありとあらゆる王様相手にケンカを売って、
戦争ばっかりしていたフィリップ4世(端麗王といわれた美形の王様→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (83) 美形の王様 フィリップ4世 - Victoriaの日記)は、
戦費調達のために、
教会に課税することを思いつく。












もともとフランスのものであるお布施を、
そっくりそのままローマに送るなんてけしからん!
オレを通せ!(ピンハネさせてもらうぜ!エッヘン!)












ということで、
フィリップ4世、
ローマへの送金差し止めを命じてしまうのである。










これに激怒したボニファティウス8世、
黙って引き下がるようなタマではないので、
早速対抗措置として、
聖年祭を挙行、











西暦1300年の記念すべき年に、
ローマに巡礼に来れば、
み〜んな天国へ行かせてあげるよ!!!











天国行きキップを乱発したボニファティウス8世、
まんまと世界中のキリスト教徒を直接ローマに呼び寄せることに成功し、
財政難に陥りかけていた教皇庁は危機脱出、












以後、
現在に至るまで、
およそ25年ごとに聖年祭が開催されるようになっていく。











教会を救ったのは、
教皇マーケティング力だったわけで、












ボニファティウス8世は、
教皇には珍しく、
大変な現実主義者で、
最後の審判は存在しないと公言してはばからなかったとか、
賭博大好きで、
教皇庁はまるでカジノのようであったとか、










あるいは、
精力絶倫で、
夜な夜な、
あやしげな男女(!)が出入りしていたとか、






興味深いエピソードてんこ盛りの、
清濁あわせ呑む人物であったようである。











ちなみに、
フランスがどうして教皇庁のドル箱になっていたかというと、










10世紀に、
国中にいっぱいノートルダム寺院を建てていたから→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (20) 第1回十字軍 - Victoriaの日記











ボニファティウス8世 VS フィリップ4世 の戦いは、
これで終結せず、











1303年のアナーニ事件→ボニファティウス8世の憤死事件へと、
つながっていく。









これほどの強者、ボニファティウス8世を憤死させてしまうなんて、
端麗王フィリップ4世の強さを、
改めて思い知るんだけれども、









・・・



さて、
フィリップ4世とのガチのケンカで、
一歩もひかず、
教皇の底力をみせつけたボニファティウス8世、










ボニファティウス8世は第193代ローマ教皇
先代の第192代教皇ケレスティヌス5世が、
存命中に「自分は教皇に向いていない」と言いだし、
教皇を退位するという異例の事態に陥った時に、
陣頭指揮を執った枢機卿がカエターニ(教皇になってからの名前がボニファティウス8世)だった。











それだけ聞けば、
ああ、人望があったんだなあと思うが、












実は、
ケレスティヌス5世が、
「やめたい病」にとりつかれたのは、











教皇やめて引退しなさい」











という声が夜な夜な聞こえてきて、
不眠症&神経衰弱になってしまったからで、











ストレスですか???











真相は、
ボニファティウス8世が、
教皇の寝室へ伝声管を引いて、
毎夜毎夜、
部下に悪魔のささやきをつぶやかせたからと言われていて、











裏で手を回して教皇をノイローゼにさせつつ、
表では理解ある枢機卿を気取り、
教皇に法的に合法な退任方法を指南したりしていたわけである。













ローマ教皇ベネディクト16世が、
2013年2月28日で退任を表明、
存命中の教皇が退位するのは異例中の異例、
しかも、
自らの意志で退位を表明するのは、
719年ぶりと報道されたけれども、











719年前に、
自らの意志で教皇職を退位した教皇は、
ケレスティヌス5世です。











21世紀と同じ状況が、
14世紀にもあったなんて、










ローマ教皇庁というところは、
ものすごく保守的なんだか、
ものすごく急進的なんだか・・・???










Victoriaでした。


・・・


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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記





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