クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 第6回公判 隔靴掻痒
こんにちは。Victoriaです。
2012年9月28日、東京地方裁判所412号法廷にて、
クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件でたった一人起訴された八田隆氏の第6回公判が行われた。、
今回は、
おそらく、八田隆氏としては、
待ちに待ったXデー的な公判のクライマックス、
八田隆氏本人の被告人質問で、
午前10時から午後5時までかかっても終わらず、
続きは次回公判(10月26日)に持ち越した模様。
2月の初公判から今まで、
八田隆氏本人にほとんど出番はなく、
どっちかっていうと、
事務手続き上の確認作業的な公判が続いたので、
さぞかしストレスがたまっていたであろうことは想像に難くないので、
まずはこの日が迎えられたことを祝福したい・・・
八田隆さま
ぜひ悔いのないように、
思いのたけをぶつけて来てくださいね〜♪
おそらく、
男は黙してナンボ・・・というような言葉は、
八田隆氏の辞書にはないと思われるので、
言いたいことはゴマンとあるのに、
その機会が与えられず、
弁護士 VS 検察 のキャッチボールを横から見るだけだったこの7ヶ月は、
もどかしいを通り越して、
ヘビの生殺しに近いストレスフルな状況であったにちがいない・・・
そんな状況下におかれているのに、
八田隆氏本人は、
普段通りのマイペースで、
公判当日は寝過ぎたとツイートする余裕すら見せるところが実にクール、
さすが、
生き馬の目を抜くビジネス最前線で、
外資系証券マンとして八田隆の名前をとどろかせてきただけのことはある。
ゴルフもいい息抜きになってるのかもしれません・・・
だから、
公判中の身なのに、
のんきにゴルフかよ!なんてヤボなことは言わないでね・・・
・・・
さて、
今回も傍聴していないので、
八田隆氏のブログ→#検察なう (189) 「第六回公判報告 検事自ら公訴権濫用暴露」 9/28/2012 - 「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン、
傍聴なさったyukimanilaさまブログ→八田隆 第六回目公判終了 クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 | ゆるゆるバルセロナ生活
togetter→八田隆 9月28日 第6回公判 「被告人質問」まとめ - Togetter
が更新されるのを、
今か今かと待っていたんだけれども、
前回、
予想した通り→クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 第5回公判 寄り切り - Victoriaの日記
「八田隆氏は故意に脱税したのか否か?」
にポイントを絞って質問がされていて、
ただ、
傍聴人として一点、忘れてはならないことは、
「故意に脱税した」
という言葉の意味が、
「税金払うのけったくそ悪いから、ウソの申告して隠したったわ・・・へへへ・・・」
という意味にとどまらず、
「いえね・・・別に脱税してやろうとかそんなでかいことは考えてませんよ・・・めっそうもない・・・ただ、もしかしたら、株でもらった報酬にかかる税金が、ちゃんと源泉徴収されてるかどうか、確認するべきだったのかもしれないけれども、でも、具体的にそう会社に指示されたわけじゃないからやらなかったのが、ボクの過失と言われればそうなんだけど、え?ちゃんと自分で確定申告して税金納めたヤツもいるって?え?じゃあ、ボクは故意に隠したってことにされちゃうわけ?そんなの社会人としての常識だろうって?いや、それは、税金払うのが国民としての義務だってことは重々承知してるけど、個別具体的にどんなイレギュラーな状況でも必ずきっちり払えるかっていわれたらそんな自信はないですよ・・・だってボク税理士じゃないし・・・あ、税理士の先生も忘れたみたいね・・・だって、税法ころころ変わるし、自分が扱ったことのない案件のことはプロの先生でも案外知らないっていうし・・・え?国税庁の通達はどんなちっちゃなものもくまなくチェックしとけって?なんでボクがそんなこと言われなきゃいけないの?え?稼ぎがよすぎるって?億のゼニを海外でかせいだらまず疑われるだろうって思ってかかるのが常識だって?いや、ボク、親に、まず他人のことは信用しなさいって育てられたので、なんでもかんでもそんな風に疑ってかかるってできないんだよね、今さら・・・つまり、何?国税庁のHPはお気に入りにして、RSSリーダーに登録しとけってことですか・・・?参ったなあ・・・そんな、世の中は国税庁中心に回ってます的なこと言われてもね・・・」
長くなっちゃったんで、
短くまとめると、
「故意」っていう言葉の意味を、
世間一般でいうところの「悪意をもってわざとやった」という意味で解釈してたら、
検察の理屈にはついて行けないってことで、
たぶん、
それは、
テストで悪い成績をとった生徒を、
「教科書読めばちゃんと書いてあっただろ、このボケ!」
と言って先生がどつくのといっしょで、
書いてあったから読めばわかるだろうという言い分は正しいけれども、
世の中、お上の思うようには回っていかないもの、
だから、大事なことは、繰り返し繰り返ししつこく告知するのが常識・・・って話なんだけど、
税金の話になると、
そういう世間一般の常識ってのは通用しないみたい・・・
税金集めるのが、
国家存亡のための最重要項目で、
世界の歴史をひもとけば、
いかに人民から高い税金をとるかに、
為政者が知恵をふりしぼっているか一目瞭然、
ちょっとでも弱みを見せたら、
人民にバカにされるから、
ズルしようと企むヤツは、
徹底的にシバくっていうのは、
常道ではあるけど、
度が過ぎると、
恐怖政治になるかもしれず、
そこらへんのさじ加減が難しいところ・・・
・・・
それで、
公判は、
よくも悪くも検察のペースだったらしく、
あれだけ厳しい取り調べを国税・検察が束になってやったにもかかわらず、
故意を認めなかったからそもそも裁判になっちゃってるのに、
「あなた、知っててやったんでしょう?
もういい加減、ここらへんで認めちゃいなさいよ」
ということだけを、
ひたすらにプッシュされたらしい・・・
今回の検察のキーワードは、
「本当ですかあ???」
英語に直すと、
Really?
ってヤツ、
あれをあんまりひんぱんに繰り返すと、
何も考えてないヤツと見なされ、
まともな会話が続かないから、
ほかの合いの手を考えなさいっていうのが、
英会話のイロハであるのは周知なんだけれども、
八田隆氏が答えるたびに、
「本当ですかあ???」
を繰り返され、
ついに、
「それ、やめてもらえませんか」
と八田隆氏がやんわりたしなめる一幕があったとか・・・
たしかに、
一生懸命誠意を持って答えている最中に、
いちいち「本当?」って口はさまれたら、
イラッとくるのは確か、
だって、
自分の人生かかってるわけでしょ?
そんなところで、
その場をうまくやりすごすためだけの、
チンケなウソつくかよ・・・
もし、
ウソをつくなら、
墓場まで持ってく覚悟でつくだろ、普通・・・
・・・
ということで、
八田隆氏の形勢は非常に厳しい。
同じ質問を死ぬほど繰り返して、
そのどっかで、
ちょっとでも八田隆氏の返答に不自然なところがあったり、
返事するまでに一拍長く間があいたり、
あるいは、
視線がちょっとでも泳いだりしたら、
その機をとらえてたたくつもりなんだろうけど、
つまり、
公判で取り調べをまだやってるってことね・・・
やっぱりね・・・
そうするしか、
検察としても手立てがないっていうか、
検察が八田隆氏がクロだと確信した決め手となったのは、
八田隆氏が経理担当との電話で指示を受けながら斜線を引いたっていうペーパーなんだけど、
それが、
いわば、
唯一の物的証拠だから、
つっこむんならソコだろ的な、
重要書類、
だけど、
幸か不幸か、
八田隆氏に電話グチで斜線を引くよう指示したと言われている経理担当が、
日本人ではなく、
シンガポールオフィス勤務で、
どうやら証人喚問できなかったらしい・・・
だから、
電話グチのあっちにいた第三者じゃなく、
電話グチのこっちにいた当事者である八田隆氏に、
質問攻勢を浴びせてるわけだけど、
唯一の物的証拠のカギを握る大事な人物の証人喚問ができなかった時点で、
この公判終わりじゃね・・・???
つか、
積極的に喚問しなかった時点で、
何か来られてしゃべられたら困る事実でもあるとか・・・???
今のは、
検察の方が口を酸っぱくして言っているように、
他人のやることの裏を読んで、
疑ってかかるというやり方を実践してみただけで、
私が勝手に思ったことだから、
もちろん、
直球勝負がウリの八田隆氏は、
そんなことおくびにも出さない・・・
・・・
権力のある側が、
決め球もないのに、
包囲網を固めてくる時は、
向こうも必死なんで、
そうそう簡単に突破できるものではないというのは、
事実として受け入れるべきことで、
運が悪かったとあきらめるしかないんだけれども、
ただ、
これまでは、
税務調査の段階で、
いわば、
納税者が涙をのむかたちでうやむやにされてきた「脱税の基準」というのが、
八田隆氏が白日の下にさらしてくれたおかげで、
刻々と明らかになりつつあるのは確か、
そういう意味で、
この裁判は、
八田隆氏と面識はない者にとっても、
あるいは、
素顔の八田隆氏を知っていて、
あいついけすかねーんだよな、と思っている人にとっても、
人ごとでは済ますことのできないもので、
だって、
明日は我が身・・・
欄外の英文解釈が決め手だって、
さんざん言ってたはずなのに→クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 第3回公判 傍聴記 - Victoriaの日記
今回は、
それ以外の、
メール管理の方法だとか、
資産管理のやり方とかを根掘り葉掘り聞いていて、
何でも、
関連ありそうなことは聞いとけってことだろうけど、
その質問の真意は何?ってのがわからない傍聴人にとっては、
苦痛以外の何物でもない・・・
・・・ということで、第6回公判を一言でまとめると、
隔靴掻痒。
Victoriaでした。
・・・
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