ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (13) 1330年代 中央アジアでペスト発生

こんにちは。Victoriaです。

2013/04/14(日)、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 14世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「1330年代 中央アジアでペスト発生」。



さて、
今回の「ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6」開催にあたって、
出口社長が事前にご紹介くださった教科書はこちら。

ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄 上・下」。




ピューリッツァー賞、国際コスモス賞などを受賞し、
ものすごく難しい本(だと思う)にもかかわらず、
世界中でベストセラーになったという名著で、





文庫なのに、
一冊400ページくらいあり、
すんごい読み応えがありました。




これを読むと、
人類の歴史の中で、
ある時、
突然、
死に絶えてしまった民族というのが、
実はたくさんあって、





戦争で死んでしまったという例ももちろんあるけれど、
病原菌のせいというのが、
想像以上に多いということがよくわかる。







その中でも、
最も有名な病原菌のお話が今回のテーマ、







ペスト(黒死病)。







1330年代、
中央アジアでペストが発生、






発生源は、
中国、雲南





今も、
鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)が発生して、
大問題になっているけど、





どうやら、
ペストというのは、
昔から、
中国、雲南の風土病だったらしく、





あのモンケ・ハンも、
南宋を攻略しようとして、
雲南に出てきて風土病に当たって、
志半ばで死んでます→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (42) 対中国戦略にみる、クビライとモンケの皇帝としての器のちがい - Victoriaの日記







中国というのは、
北方民族が入ってくるのを防ぐために、
どでかい万里の長城を築いたわけだけど、







揚子江を越えるあたりに、
天然の万里の長城とでもいえるものがあって、






雲南の風土病。






それを乗り越えて南下するというのは、
騎馬民族のモンゴル人にとって、
なかなかの難攻不落だったということです。








モンゴルが世界征服をなしとげた、
14世紀初めころというのは、
ユーラシア大陸は比較的平和な時期で、






マルコ・ポーロと言われる誰かのような、
貿易商人が自由に行き来できたわけだから、
(マルコ・ポーロのナゾについてはこちら→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (50) マルコ・ポーロは実在するか? - Victoriaの日記






人にくっついて、
病原菌もさかんに行き来ができた。








地球が温暖で、
食べるものがたっぷりあって、
人間、
お腹いっぱいご飯が食べられる時は、
基礎体力があるから、
多少のウイルスの攻撃にも耐えられるわけだけど、







気候が悪くなって、
食糧事情が悪くなると、
体力が落ちてしまって、






そういうところに、
めっちゃ強力なペスト菌がやってくると、
ひとたまりもないわけで、






雲南の片田舎で発生したペストは、
貿易商人にくっついて、
中央アジア→インド→ヨーロッパ
という経路をたどり、
あっという間に広まっていきます。






ペスト大流行の地図があったので、
ちょっと拝借。

山川出版社「世界史総合図録」p49。

山川世界史総合図録

山川世界史総合図録





ペストのせいで、
ユーラシアの人は半分が死んでしまって、






モンゴル帝国のおかげで、
グローバリゼーションが進み、
いいこともいっぱいあったんだけど、






これは、
それらを全部吹き飛ばしてしまうほどのインパクトのある事件で、






結局、
これが原因で、
モンゴル帝国自体も瓦解してしまう。






だって、
人が死ぬわけだから、
どうしようもないよね・・・






病原菌に対する人間の免疫には、
3つのパターンがあって、



  1. 中国型
  2. インド型
  3. ヨーロッパ型



それぞれ、
抗体が違うので、
違う型の病原菌に襲われると、
それこそ、
村全体が全滅とか、






きっと、
この世の終わりか?というくらいの、
大惨事だったはず。






なので、
このペストも、
雲南の人たちは、
もともと免疫があるので、
比較的軽くて済んだんだけど、







免疫がない上に、
飢饉で体力の落ちてるヨーロッパの人たちは、
ひとたまりもなかった。






ただ、
このペスト大流行を乗り越えて、
生き残った人たちというのは、
本当に丈夫な人たちで、






先にあげた、
3つのパターンすべての抗体を持つようになり、







もうちょっと時代が進むと、
ヨーロッパ人は、
新天地を求めて、
アメリカ大陸へと行くんだけど、






その時に、
彼らがアメリカ大陸にもたらした病原菌は、
ホント強力で、






アメリカ大陸の人たちは、
あっという間に死に絶えてしまい、






困ったヨーロッパ人達が考え出したのが、







よし!
アフリカから黒人を連れてきて奴隷にしよう!







・・・ということで、本日の結論 :






人類最大の敵は、
病原菌である。






Victoriaでした。



ライフネット生命